ヘンリー王子がナチスの服を着て、問題になっている。
「英国:王子のカギ十字問題 背景に若者の歴史知識不足」他の記事によると、ウィリアム王子はヘンリー王子がナチスの服を選ぶのを止めなかったそうだ。チャールズ皇太子は憤怒して、二人にシンドラーのリストを見るのと、アウシュビッツ訪問を命じたそうで。これはお笑い記事でしょうか?
14日付のデーリー・メール紙はコラムで「悲劇はヘンリー王子が歴史に無知な世代の典型だということだ」と指摘。とあります。
ヘンリー王子は謝罪しました。
一方で、こういう若者が現れるかもしれません、というかもう居るでしょう。
彼は「私はナチスが英国を攻撃したことを知っているし、ユダヤ人を大量虐殺したことも知っているが、それでも、ナチスの服を着たい。何の服を着るかを選ぶのは個人の自由だ!!」と主張します。(ヘンリー王子だってそう思ったかもしれません)
この主張への反論は難しい。
確かに、非常に多くの人に「全体主義を思い出させる」不快感をもたらすこと自体が、許されない行為だと指摘することは可能です。それに、ナチスの行為を知っていれば、その不快感を他人にもたらすことの影響を想像するのは難くないでしょう。(つまり、自分の所属する集団が、何かを敵とみなしていることを知っており、その敵と同化することは、自分が敵と見做されるのではないかという恐怖=想像力)
それを指摘する役割はマス・メディアが担っているという構図が今回にも見えます。
しかし、誰か(今回はナチス)を敵対視し続ける行為を、引き継ぐことが出来るでしょうか?
若者はもう、第二次世界大戦の敵を知りません。
日本の若者もアメリカと戦ったことを知りません。
「背景に若者に歴史知識不足」は深刻ですが、「なぜ人を殺してはいけないのか」という質問に一人一人が正確に答えることが出来なければ、再びファシズムを生んでしまうのではないかと思いました。